ウール素材の特徴
最もメジャーな冬素材である「ウール」。
ウールとは羊の毛のことです。
羊は全世界で約3,000種。
中でもウールは、一般的にはメリノ種の羊の毛(全体の約40%)のことを指します。
(ちなみにメリノ種はオーストラリアやフランスで多く飼育されています)
メリノ種以外の羊の毛は「シェットランドウール」等のように、羊の種類が名前に着くことが多いですね。
基本的に「ウール」とだけ書いてある場合はメリノ種と理解して間違いありません。
ウール素材は冬の衣類の中で最もポピュラーな素材。
色々な価格帯のニットやコートに使われますが、それは羊一頭から採れる量が多いから。
なお、仔牛の毛(ラムウール)や細い繊維のウールは高級素材であり、値段的に高くなる傾向があります。
また同じ品種のウールでも、産地によって気候や環境が異なるので、肌触りや保温性等の品質にも違いが出てきますね。
ウール素材のメリット
- 保温性
- 吸湿性
- 防臭効果
- 型崩れしにくい
ウール素材には以上のようなメリットがあります。
保温性については言わずもがな。
ウールは繊維同士が絡み合っていて熱を逃さないので、温かく過ごせます。
また、ウールは吸湿性にも優れているので、実は夏にも使える素材。
よく「サマーウール」素材のスラックス等がありますが、サラサラとした肌触りで夏でも快適に過ごせます。
天然繊維ならではの防臭効果・型崩れしにくい性質により、手軽に洗えないスーツやジャケットにも多く使われます。
ウール素材のデメリット
- 毛玉ができやすい
- 虫食い
- 品質のバラつき
編み方や織り方にもよりますが、摩擦等によって毛玉ができやすい点には要注意。
また、ウールは虫の好物でもあるので、オフシーズンには防虫剤やクリーニング等で虫食い対策をしましょう。
また、ウールは非常にポピュラーな素材であり、色々な価格帯のブランドからウール製品が出ています。
しかしそれ故に、品質の良くないウールが市場に出回っているのも事実。
ウールなのに肌触りが良くなかったり、全く温かくなかったり。
中には陳列の段階で毛玉だらけの物もあります
「ウール」の表示だけに惑わされず、しっかりとモノを見て選んでいくことが大事です。
(ある程度は値段に比例する印象ですね…)
カシミヤの特徴
冬の高級素材の代名詞的存在である「カシミア」。
「カシミア」はカシミアヤギの毛を指します。
カシミアヤギは中国北西部・モンゴル・ネパール等の高地の寒暖の激しい環境に住んでいます。
カシミアは、カシミアヤギ一頭から1年で150~200g程度しか採れないため「繊維の宝石」と呼ばれ、非常に高価なのです。
カシミヤ素材のメリット
- 圧倒的な軽さ・保温性
- 柔らかで気持ちの良い肌触り
- 上品なツヤ・光沢感
カシミアの繊維は他の繊維よりも非常に細いのが特徴。
空気をたくさん取り込むことができるため、非常に軽くて温かいのです。
また、カシミアの圧倒的に細い繊維は非常にしなやかであり、全くチクチクしません。
その柔らかで気持ちの良い感触は、直接肌に触れるニットやマフラー・ストール類に最適ですね。
また、見た目的にもカシミア製品はツヤや光沢感があります。
カシミア素材のデメリット
- デリケートな素材なため取り扱いが難しい
- 虫食いのリスクが大きい
カシミアは非常にデリケートな素材です。
繊維が非常に細いため、強度はあまりありません。
毛玉もできやすいですし、水濡れにも弱いです。
また「繊維の宝石」と言われるカシミアは、虫にとっても非常に美味しいとのこと。
ケアを怠ると、すぐに着られなくなる可能性もあります。
金額的に高い分、ダメにするのは非常にもったいないです…
ウール以上に防虫剤やクリーニングによるケアを徹底する必要があるかと。
アンゴラの特徴
ややマイナーながら、高級素材である「アンゴラ」。
「アンゴラ」はアンゴラウサギの毛で、主に中国で生産されています。
アンゴラ素材のメリット
- 軽くて保温性が高い
- 発色が良い
- シルクのような滑らかで柔らかい肌触り
アンゴラは毛が空洞になっているのが特徴的。
非常に軽いのに加え、空気をたくさんため込むことができるため、保温性に優れています。
毛足が長いので、レディースのふわふわニット等に最適ですね。
アンゴラウサギはもともと真っ白な毛をしているので、染色がしやすく、発色が非常に良いとされます。
また、アンゴラの毛は非常に細く、シルクのような滑らかな肌触りをしていますね。
アンゴラ素材のデメリット
- 毛が抜けやすい
- 毛玉ができやすい
- 虫食い
アンゴラ素材は、細くて長いのに加え、滑りやすい繊維なので、毛が抜けやすいです。
また、摩擦にも弱いデリケートな素材なので、毛玉もできやすいですね。
着用の際にはバッグによる摩擦にも気を付けないといけません。
虫食いについては言わずもがな。
高級素材は虫の大好物なので、しっかりとケアを行いましょう。
アルパカの特徴
「アルパカ」は標高4000m以上のアンデス山脈で暮らしています。
生産地は主に南米のペルーやボリビアです。
アルパカ素材のメリット
出典:http://bloom-branch.shop-pro.jp/?pid=136335249
- 軽くて保温性が高い
- なめらかな肌触り
- 上品なツヤ感
- 非常に丈夫で毛玉ができにくい
アルパカは、気温差の大きい、過酷な環境のアンデスで生きています。
毛の中が空洞になっており、高い保温性と軽さを両立させているのです。
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また繊維も非常に細いため、肌触りがなめらか&チクチクしません。
さらに毛が直毛であるため、毛玉もできにくく非常に丈夫です。
カシミアの方が繊維が細くて柔らかいものの、アルパカも十分柔らかい上、ヘビーユーズに耐えられるくらい丈夫。
カシミヤのようなツヤもあり、また保温性はウールよりも高いです。
つまり、アルパカは「カシミアよりも丈夫で、ウールよりも暖かい素材」なのです。
アルパカ素材のデメリット
あまりありませんね…
虫食いについては、他の動物性繊維と同様に気を付けないといけませんが。
あとは流通量が少ないので、価格が高くなりやすいということくらいですかね。
とはいえ、マフラー・ストールは1万円くらいから買えます。
暖かさ・見た目・耐久性などの水準が本当に高く、長く使えて超おすすめですよ。
ヤクの特徴
「ヤク」は、チベット・中国・ヒマラヤ山脈等の標高3,000~6,000mの高地に生息する牛の仲間です。
ヤクは一頭から1年で100gしか採れないと言われる高級素材。
非常に良質で希少な素材として知られています。
ヤク素材のメリット
出典:https://twitter.com/confect_kitte/status/
- 高い保温性
- カシミアのように柔らかく滑らかな肌触り
- 丈夫で毛玉になりにくい
過酷な環境の中で生きるヤクの素材は非常に機能的。
極寒の中で暮らすヤクの毛は非常に暖かいのに加え、通気性も良くて蒸れにくいので、快適に冬を過ごすことができます。
また、繊維は非常に細く、柔らかさとしなやかさを兼ね備えています。
カシミアのような滑らかな肌触り・ツヤ感がありますね。
ヤクの毛は摩擦にも強いので、毛玉ができにくいのも嬉しいです。
ヤク素材のデメリット
これもあまりないですね…
アルパカ同様、虫食い対策が必要なのと、価格的に高いということくらいですかね。
おすすめの冬素材は「アルパカ」と「ヤク」
以上、冬素材5種類の特徴をまとめました。
それぞれに色々な特徴があるので、好みに応じて素材から服を選んでみても面白いです。
なお、個人的なおすすめは「アルパカ」と「ヤク」ですね。
- カシミアよりも丈夫:扱いが比較的楽で、毛玉もできにくい
- 肌触りがやわらかく、保温性も非常に高い
アルパカとヤクは、カシミアの「デリケートすぎる」デメリットを解消した素材なんですよね。
それでいて肌触り・保温性の面でもかなり優れています。
カシミアのようなツヤのある「アルパカ」と、カシミアのような肌触りの「ヤク」。
ともにカシミアのデメリットを補い、さらに独自性のある素材です。
どちらを選んでも失敗はないと思いますね。
【ウール・カシミア等】同じ素材でも価格や質は違います
この中で一般的に有名なのは、「カシミア」と「ウール」ですね。
イメージ的には、カシミア=高級素材・ウール=手頃な価格の素材かもしれません。
しかし、カシミアは無条件でウールよりも良いわけではありません。
なぜなら、各素材ごとにグレードがあるから。
繊維の細さ・産地・生まれてどれくらい経った動物の毛か等によって品質が違うので、それが価格差になっています。
上に書いたのはあくまでも「目安」です。
自分の目で見たり、触れたり、試着したりして、本当に気に入ったものを選んでください。
冬素材は定期的なクリーニングが必須
ウール・カシミア・アンゴラ・アルパカ・ヤク等の動物性の冬素材は、基本的に家庭での洗濯ができません。
長く着るためには定期的にクリーニングをして汚れを落とし、清潔を保つことが必須です。
クリーニングを怠ると、素材が劣化したり虫食いされたりします。
どんなに良い服でも1シーズンで着られなくなりますよ
(僕も虫食いで気に入っていたニットが着られなくなった経験があります…)
また、素材を傷める成分を入っているので要注意です。
関連:【ファブリーズは危険です】服のケアには「服のミスト」がおすすめ
とはいえ、クリーニングが面倒・時間がなくて行けない人も多いと思います。
しかし、宅配クリーニングを利用すれば、家から出ずにクリーニングができます。
オンラインで申し込みをすれば、集荷→クリーニング→発送まで完了します。
面倒な手間をすべて省くことができますよ。
もちろん僕もよく使っています。
最大手のリネットは普通のクリーニング屋と値段が変わらないので、気軽に利用できますよ。
【裏ワザあり】リネットは高い?利用した感想をステマなしでレビュー
ウールやカシミア等のアイテムの場合、クリーニングをしない選択肢はあり得ません。
最低でも、シーズン始めと終わりの2回はクリーニングを行うことをおすすめします。
【ウール・カシミア・アンゴラ・アルパカ・ヤク】冬素材のまとめ
冬のアイテムによく使われる素材について書きました。
ニットやマフラー・ストール等のアイテムには、様々な素材が使われています。
素材の特徴を理解することで、より後悔のないアイテム選びができるはずです。
実際に僕も耐久性の面を考えて、あえてアルパカを選んだりしますよ。
コート類はウールが圧倒的に多いですが、ニットやマフラー等は様々な素材から選べます。
ブランドや価格だけでなく、ぜひ「素材」に着目してみてください!
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