こんにちは。ヒロシです。
という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方のために、本記事ではじっくり育てるのに最適な「ヌメ革」について、
- ヌメ革とはなにか、またヌメ革の魅力や特徴とは?
- ヌメ革を使った財布のおすすめブランド
を詳しく書いていきます。
ちなみに僕は革製品を育てるのが大好きで、これまでにヌメ革の財布を劇的に変化させてきました。
ヌメ革フリークの僕が全力で書いていくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
ヌメ革とは
出典:https://plus-e-shop.com/?pid=118515354
ヌメ革とは簡単にいうと、「植物性タンニンでなめされた革のうち、染色を施していない革」のことです。
「なめす」というのは、牛の皮を腐らないようにしたり、柔らかくしたりする加工のことで、この「なめし」という工程を経ると、「皮」から「革」になります。
このなめし方は大きく分けて2つあります。
- タンニンなめし:植物の渋み成分(タンニン)を含む液体に数ヶ月間漬けこむ
- クロムなめし:クロムという化学薬品を浸透させる。1日程度で完了
上を見ると明らかなように、クロムなめしの方が圧倒的に手間がかからないので、現在では多くの革製品がクロムなめしで作られています。
つまり、植物性タンニンでなめされた「ヌメ革」というのは非常に手間がかかる革ということですね。
「タンニンなめし」の革という時点で、広い意味では「ヌメ革」というのですが、より厳密な(狭義の)ヌメ革は、表面に染色や加工を施していない革を指します。
黒や茶色などに染められた革は、「ヌメ革」とはあまり言わずに「ベジタブルタンニンレザー」などと、なめし方で呼ばれることが多いですね。
そのため、ヌメ革の色味はまっさらなベージュ(肌色)になっています。
なお、同じヌメ革でも「バケッタレザー」や「ブッテーロレザー」、「栃木レザー」などと色々な呼び方をされることがあります。
これらは細かな製法やタンナー(皮をなめす会社)の名前から取っているものなので、さほど大きな違いはありません。
いずれもレザーも、植物性タンニンで皮をなめし、柔らかさや強度を上げるためにオイルを染み込ませています。
ヌメ革の特徴・魅力
ヌメ革の特徴や魅力は以下の5つになります。
圧倒的なエイジング(経年変化)
ヌメ革の魅力や特徴を語る上では、やはり「エイジング」は外せません。
ヌメ革以外の革を使ったアイテムでも、使っていくうちに色味が濃くなったりするのですが、それとは比較にならないくらいヌメ革のエイジングは圧倒的です。
こちらは僕の私物のヌメ革財布なのですが、ここまで圧倒的に色味が変わってきます。
ナチュラルなベージュが濃いアメ色に変化を遂げていますよね。
これは、使っていくうちに手の油分が革に浸透したり、革に元々含まれていた油分が使用や日光によって表に染み出したりするから。
ここまでの経年変化を楽しむことができる革は、やはりヌメ革しかありません。
丈夫で長く使える
植物性タンニンでじっくりなめすという加工方法のおかげで、ヌメ革は繊維がギュッと詰まっていて非常に丈夫です。
そのため最初は固さのある仕上がりなのですが、使っていくうちにやわらかくなっていきます。
つまり、ヌメ革は丈夫さとやわらかさを兼ね備えた革であり、経年変化が楽しめるという意味でも、飽きが来ずに長く使えるということです。
傷つきやすい
ヌメ革は表面に一切加工を施していないので、非常に傷がつきやすいです。
特に、使い始めの段階は傷が目立ちやすく、少し爪が触れただけで簡単に傷になってしまいます。
こちらは、上でエイジングをご紹介した財布の、使い始めて数ヶ月経過したときの写真です。
爪で引っかいたような傷が、所々についているのがお分かりいただけるかと。
しかし、使っていくうちに「傷すらも味」だと感じられるようになるので、そこまで神経質になる必要はありません。
上にある2年経過時の写真を見てわかるように、経年変化で色味が濃くなっていくと、傷も目立たなくなりますしね。
水に弱い
革製品は水に弱いのですが、ヌメ革は表面に加工をしていないこともあり、特に水に弱いです。
特に使い始めの頃は、ちょっと水に触れるだけでシミになってしまうので注意が必要ですね。
しかし、使っていくうちに革の表面が、手の油や革の内部から染み出した油でコーティングされていくため、水に対してもどんどん強くなります。
色味も濃くなるので、使い始めにつけてしまった水のシミも目立たなくなるのでご安心を。
色味のみならず、水や汚れ、傷への耐性が強くなるという意味でも、ヌメ革はまさに「育てる」革と言えます。
個体差
ヌメ革の1つの魅力が「個体差」。
革に加工を施さずに、ナチュラルな風合いを生かしている革なので、商品が陳列されている段階から1つ1つ微妙に違います。
商品ディスプレイの照明が強めに当たっているものは、日焼けして色味がほんのりと濃いめですし、その革がもともと持っていた細かな傷があることも。
その個体差を含めてヌメ革の味ですし、本物の革であることの証です。
ヌメ革のお手入れは?
ヌメ革については、基本的にはたくさん使ってあげることが一番のお手入れになります。
使っているうちに手の油分がしみ込んでいきますので、それが革にとっては栄養になるのです。
そのため、普段のお手入れとしては、ほこりを拭いてあげたり、軽くブラッシングをする程度でOKでしょう。
そうすることで、革の天敵であるカビや汚れを防ぐことができます。
表面が乾燥していたり、水に濡れてしまった時には、「M.モゥブレィ」のデリケートクリームを塗って革に栄養を補給させてあげるのがおすすめです。
なお、早くエイジングさせたいからといって、クリームをたくさん塗るのはNGです。
クリームをたくさん塗ると、革に与えられる栄養が過剰になり、かえって革の劣化を早めてしまいます。
クリームを塗る頻度としては、多くても1〜2ヶ月に1回程度にしておきましょう。
ヌメ革を使った財布のおすすめブランド5選
革製品というと、代表的なアイテムは「財布」ですね。
そこで、以下ではヌメ革を使った財布のおすすめブランドを5つご紹介します。
ちなみに、いずれも財布も3万円程度までで買えるものを選びました。
なお、僕がいま使っている「Honor gathering」の財布は本当にすばらしいのですが、今ではブランド自体が終わっているため、他のブランドから厳選しています。
GANZO(ガンゾ)
知る人ぞ知る、最高級の革製品を誇るブランドである「GANZO」。
ガンゾは素材選びや縫製などに一切妥協しない職人気質のブランドであり、いずれのアイテムに関しても長く愛用してもらうことを前提に作られています。
ガンゾといえば、「シンブライドル」や「コードバン」を使ったアイテムが有名なのですが、ヌメ革(ミネルバナチュラル)のアイテムもかなり評判が良いです。
出典:https://www.ganzo.ne.jp/fs/ganzo/57110
ガンゾのこちらの財布は、「バケッタ製法」という、イタリア・トスカーナ地方の伝統的ななめし方で作られた逸品で、劇的なエイジングが楽しめます。
ガンゾのアイテムはとにかく作りが丁寧で、長く使えること間違いなしなので、長年にわたって使えるような財布が欲しいと考える方にぴったり。
Hender Scheme(エンダースキーマ)
柏原亮氏が2010年にスタートさせた、浅草発のエンダースキーマ。
元々は靴のブランドなのですが、ヌメ革を用いたレザークラフトに定評があります。
ヌメ革にこだわりを持つエンダースキーマだけあって、色々な形の財布をヌメ革でリリースしています。
出典:https://store.50910.jp/blog/?p=29863
エンダースキーマのヌメ革は、ロウとワックスがたっぷり染み込ませてあるのが特徴的で、使っていくごとに独特のツヤ感が生まれてくると評判です。
エンダースキーマはいま非常に流行しているブランドということもあり、若い方向けのイメージがあるかもしれませんが、老若男女使えるアイテムが多数揃っているので、ぜひチェックしてみてください。
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CYPRIS(キプリス)
「ヌメ革の財布を使ってみたいけれど、外側までベージュの色味の財布はちょっと…」
そう考える方もいらっしゃると思います。
ベージュのヌメ革は、自然な風合いがあるのですが、スーツスタイルに合わせるとなるとカジュアルすぎる可能性がありますからね。
そんな方におすすめしたいのが「キプリス」です。
キプリスの財布は、外側はエレガントな色味のレザーを使い、内側はナチュラルなヌメ革を使ったコンビネーション。
出典:https://www.noi-japan.com/noijapan/7.1/105462/
上品な大人っぽさを出すことができるとともに、ヌメ革の経年変化を楽しめるので、スーツを着ることが多い大人の男性に特におすすめです。
また、キプリスのすごい点はやはり「コストパフォーマンス」。
上でご紹介した財布は、「革の王様」と言われるコードバン(馬のおしりの革)を使っているにもかかわらず、3万円台で購入できます。
通常、コードバンの財布は5万円以上は確実にするので、熟練の日本の職人が手がけながらも、この価格を実現できるキプリスは本当にすごいですね。
コストパフォーマンスに優れた財布が欲しいという方は、ぜひ「キプリス」をチェックしてみましょう。
COCOMEISTER(ココマイスター)
ココマイスターは、ヨーロッパの厳選されたレザーを使った革製品を作っているブランド。
このブランドの財布は、生産数が限られているため、直営店舗(東京・大阪・名古屋)と公式オンラインストアでしか購入できません。
また、すべての革がエイジングすることを前提に選定されているので、美しい経年変化をすると評判です。
そんなココマイスターのヌメ革財布は、「パティーナ」という名前でリリースされています。
出典:https://cocomeister.jp/store/g/g45014105/
皮革産業で名高い、イタリアのトスカーナ地方の「ワルピエ社」が生み出すヌメ革を、ココマイスターが誇る職人の手で1つ1つ丁寧に作っているこちら。
ワルピエ社のレザーは非常になめらかで、日本のヌメ革のよりもオイルが多めに染み込ませてあるので、エイジングも早いのが特徴的です。
写真でご紹介したラウンドファスナー型の長財布のほかに、通常の長財布や二つ折り財布もあるのですが、いずれも2万円台というコストパフォーマンスも魅力なので、ぜひチェックしてみてください。
ココマイスター公式オンラインストアIL BISONTE(イルビゾンテ)
イルビゾンテは、イタリア・フィレンツェに拠点を構える名門レザーブランドです。
イタリアは皮革産業が有名な国なので、使っている革の質が非常に良いのが特徴的。
イルビゾンテもヌメ革の財布が評判のブランドなのですが、上にあげたブランドよりもバリエーションが豊富です。
ベーシックな二つ折りや長財布のみならず、かわいらしいデザインの財布がたくさんあります。
出典:https://www.ilbisonte.jp
また、ヌメ革をあらかじめ日焼けさせた「ヤキヌメ」というカラーも用意されているので、「薄いベージュカラーの財布を使うのはちょっと…」という方にもぴったり。
出典:https://www.ilbisonte.jp
僕は学生のころイルビゾンテの財布を使っていたのですが、デザインの豊富さやカラー展開も含めて、男性のみならず女性にもぜひおすすめしたいですね。
海外製(イタリア製)ということで、正直縫製などは日本製に比べて若干ラフなのですが、日常使いには全く問題ありません。
「ヌメ革の財布」といったときにまず出てくるブランドなので、ぜひチェックしてみてください。
あとがき
革といっても色々あるのですが、ヌメ革以上にエイジングが楽しめる革はなかなかありません。
多くのアイテムが新品の状態がMAXで、そこからは劣化していくのですが、ヌメ革の場合だと使い込んでいくうちにどんどんカッコよくなっていきます。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。ありがとうございました。